このバラについて
とにかく丸い。コロコロ丸い。
薄い花びらがぎゅうぎゅうに詰まったディープカップ咲き。
まったく、こういう花型が好きな人にはたまらないバラです。
丸さだけでなく、香りがまた素晴らしい。熟れた桃のような甘い匂いで、しかも強い。
この淡くてやわらかいアプリコットカラーと完璧にマッチしています。
とにかく丸い。コロコロ丸い。
薄い花びらがぎゅうぎゅうに詰まったディープカップ咲き。
まったく、こういう花型が好きな人にはたまらないバラです。
丸さだけでなく、香りがまた素晴らしい。熟れた桃のような甘い匂いで、しかも強い。
この淡くてやわらかいアプリコットカラーと完璧にマッチしています。
いきなりですがちょっと昔の話にお付き合いください。
昔の話なので記憶違いもあるかもしれませんが。
あれはもう10年近く前。2000年代初頭の頃でした。
そのころバラといえば、まだ剣弁高芯咲きが主流。
ガーデンローズといえばハイブリッドティーやフロリバンダ、あるいはミニバラ、深入りするとオールドローズや原種。
ただ20世紀後半に絶大な人気を誇った大輪ハイブリッドティーも、当時から人気はやや下火。ナチュラルな雰囲気の中輪房咲きフロリバンダに水をあけられそうになってた…そんなとき。
そこで流行ったのが、イングリシュローズ。
オールドローズ風のロマンチックな花型とモダンローズの四季咲き性を引っさげて、お高い値段もなんのその。香りがなくて枝がごっついHTなんてもう古い、これからはイングリッシュローズでしょ、みたいな雰囲気がHP全盛期のネット界隈に漂ってました(個人的な感想です)。
そんな時代の中で、特にもてはやされたのがイングリッシュローズの象徴ともいえる、カップ咲き。
特にコロコロのディープカップ咲きは、オールドローズにも中々見当たりません。
中でも、随一のコロコロ度を誇っていたバラがありました。
それがこのジュード・ジ・オブスキュア。
色は、(これまた)当時もてはやされたアプリコットカラー。
(なんでもてはやされたかっていうと、オールドローズには無い色合いだから、だったと思う)
まさに時代を象徴するようなバラ。
まぁその割りには人気は低め安定。
というか、いつもややマイナーな立ち居地です。
当時はタモラやアンブリッジローズ、グラハムトーマスがイングリッシュローズ界のスター。
ピルグリムとかザ・ナンも人気だったかな。
ジュード・ジ・オブスキュアはだいたい隅っこでひっそり紹介されてました。
そのあたりは『日陰者』というネーミングにぴったりはまりすぎて何といったらいいのやら。
しかしこの日陰者、意外に愛され日陰者でした。当時人気だった品種が次々にカタログ落ちする中、未だに大抵のショップで売ってるバラでもあります。あなどれません。
これを書いている2012年の今では鮮やかな色合いのフレンチローズが人気で、HTでさえオールドローズ風のカップ咲き。
当時のような『イングリッシュローズだけの花型・色合い』というのはありません。
この花が咲くたびに当時を思い出させます…。時代は流れるものですね
実際に育ててみても、期待を裏切ったことはありません。丸い花しかつけません。花が咲き進むとだんだん開いてはきますが、シベが見えるところまでは開きません。コロコロのままバサっと散ります。
初期のイングリッシュローズにありがちですが、四季咲き性はよろしくありません。
年に2度咲いてくれれば御の字、っていうところです。
そして耐病性もそんなに良くないです。
咲けば最高ですが、咲いてくれない時間が長いのが難点。